巻次
207頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
漢文
画像情報
画像情報
本文

果を証せしむと、いえり。
善導独り、仏の正意を明かせり。 定散と逆悪とを矜哀して、
光明名号、因縁を顕す。 本願の大智海に開入すれば、
行者、正しく金剛心を受けしめ、 慶喜の一念相応して後、
韋提と等しく三忍を獲、 すなわち法性の常楽を証せしむ、といえり。
源信、広く一代の教を開きて、 ひとえに安養に帰して、一切を勧む。
専雑の執心、浅深を判じて、 報化二土、正しく弁立せり。
極重の悪人は、ただ仏を称すべし。 我また、かの摂取の中にあれども、
煩悩、眼を障えて見たてまつらずといえども、
大悲倦きことなく、常に我を照したまう、といえり。
本師・源空は、仏教に明らかにして、 善悪の凡夫人を憐愍せしむ。
真宗の教証、片州に興す。 選択本願、悪世に弘む。
生死輪転の家に還来ることは、 決するに疑情をもって所止とす。
速やかに寂静無為の楽に入ることは、 必ず信心をもって能入とす、といえり。
弘経の大士・宗師等、 無辺の極濁悪を拯済したまう。

漢文

証妙果
善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪
光明名号顕因縁 開入本願大智海
行者正受金剛心 慶喜一念相応後
与韋提等獲三忍 即証法性之常楽
源信広開一代教 偏帰安養勧一切
専雑執心判浅深 報化二土正弁立
極重悪人唯称仏 我亦在彼摂取中
煩悩障眼雖不見 
大悲無倦常照我
本師源空明仏教 憐愍善悪凡夫人
真宗教証興片州 選択本願弘悪世
還来生死輪転家 決以疑情為所止
速入寂静無為楽 必以信心為能入
弘経大士宗師等 拯済無辺極濁悪