巻次 行 193頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 また云わく、もし久行の人の念は、多くこれに依るべし。もし始行の人の念は、数を記する、また好し。これまた聖教に依るなり、と。已上 これすなわち真実の行を顕す明証なり。誠に知りぬ。選択摂取の本願、超世希有の勝行、円融真妙の正法、至極無碍の大行なり。知るべしと。 他力と言うは、如来の本願力なり。 『論』(論註)に曰わく、「本願力」と言うは、大菩薩、法身の中にして常に三昧にましまして、種種の身・種種の神通・種種の説法を現じたまうことを示す。みな本願力より起こるをもってなり。たとえば阿修羅の琴の鼓する者なしといえども、音曲自然なるがごとし。これを教化地の第五の功徳相と名づく。乃至 「菩薩は四種の門に入りて、自利の行成就したまえりと、知るべし。」「成就」は、いわく自利満足せるなり。「応知」というは、いわく、自利に由るがゆえにすなわちよく利他す。これ自利にあたわずしてよく利他するにはあらざるなり、と知るべし。 「菩薩は第五門に出でて、回向利益他の行成就したまえりと、知るべし。」「成就」は、いわく回向の因をもって教化地の果を証す。もしは因、もしは果、一事として利他にあたわざることあることなきなり。「応知」は、いわく、利他に由るがゆえにすなわちよく自利す、これ利他にあたわずしてよく自利するにはあらざるなり、と知るべし。 漢文 斯乃顕真実行明証。誠知 選択摂取之本願、超世希有之勝行、円融真妙之正法、至極無碍之大行也、可知。言他力者如来本願力也。 紙面画像を印刷 前のページ p193 次のページ 第二版p213・214へ このページの先頭に戻る