巻次 信 272頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 哀して治す、これを憐憫して療したまう。たとえば醍醐の妙薬の一切の病を療するがごとし。濁世の庶類・穢悪の群生、金剛不壊の真心を求念すべし。本願醍醐の妙薬を執持すべきなりと。知るべし。 それ諸大乗に拠るに、難化の機を説けり。今『大経』には「唯除五逆誹謗正法」と言い、あるいは「唯除造無間悪業誹謗正法及諸聖人」(如来会)と言えり。『観経』には五逆の往生を明かして謗法を説かず。『涅槃経』には、難治の機と病とを説けり。これらの真教、いかんが思量せんや。 報えて道わく、『論の註』に曰わく、問うて曰わく、『無量寿経』に言わく、「往生を願ぜん者みな往生を得しむ。唯五逆と誹謗正法とを除く」と。『観無量寿経』に、「五逆・十悪もろもろの不善を具せるもの、また往生を得」と言えり。この二経云何が会せんや。答えて曰わく、一経には二種の重罪を具するをもってなり。一つには五逆、二つには誹謗正法なり。この二種の罪をもってのゆえに、このゆえに往生を得ず。一経はただ、十悪・五逆等の罪を作ると言うて、「正法を誹謗す」と言わず。正法を謗せざるをもってのゆえに、このゆえに生を得しむ、と。 問うて曰わく、たとい一人は五逆罪を具して正法を誹謗せざれば、『経』に得生を許す。また一人ありて、 漢文 哀斯治、憐憫斯療。喩如醍醐妙薬療一切病。濁世庶類・穢悪群生、応求念金剛不壊真心。可執持本願醍醐妙薬也、応知。夫拠諸大乗、説難化機。今大経言唯除五逆誹謗正法、或言唯除造無間悪業誹謗正法及諸聖人。観経明五逆往生不説謗法。涅槃経説難治機与病。斯等真教、云何思量邪。報道、 紙面画像を印刷 前のページ p272 次のページ 第二版p309・310へ このページの先頭に戻る