巻次 信 277頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 殊ることなし、斉同不退なり。何の意か然るとならば、いまし弥陀の因地にして、世饒王仏の所にして、位を捨てて家を出ず、すなわち悲智の心を起こして、広く四十八願を弘めしめたまいしに由ってなり。仏願力をもって、五逆と十悪と、罪滅し生を得しむ。謗法・闡提、回心すればみな往く、と。抄出 「五逆」と言うは、もし淄州に依るに、五逆に二つあり。 一つには三乗の五逆なり。いわく、一つにはことさらに思いて父を殺す、二つにはことさらに思いて母を殺す、三つにはことさらに思いて羅漢を殺す、四つには倒見して和合僧を破す、五つには悪心をもって仏身より血を出だす。恩田に背き福田に違するをもってのゆえに、これを名づけて「逆」とす。この逆を執する者は、身壊れ命終えて、必定して無間地獄に堕して、一大劫の中に無間の苦を受けん、「無間業」と名づくと。 また『倶舎論』の中に、五無間の同類の業あり。かの頌に云わく、「母・無学尼を汚す 母を殺す罪の同類、 住定菩薩 父を殺す罪の同類、 および有学・無学 羅漢を殺す同類 を殺す、僧の和合縁を奪う 破僧罪の同類、 卒都波を破壊する 仏身より血を出だす。」 二つには大乗の五逆なり。『薩遮尼乾子経』に説くがごとし。一つには、塔を破壊し経蔵を焚焼する、および三宝の財物を盗用する。二つには、三乗の法を謗りて聖教にあらずと言うて、障破留難し、隠蔽覆蔵する。三つには、一切出家の人、もしは戒・無戒・破戒のものを打罵し呵責して、過を説き禁閉し、還俗せしめ、駆使債調し断命せしむる。四つには、父を殺し、母を害し、仏身より血を出だし、和合僧を破し、阿羅漢を殺すなり。五つには、謗じて因果なく、長夜に常に十不善業を行ずるなり、と。已上 かの『経』(十輪経)に云 紙面画像を印刷 前のページ p277 次のページ 第二版p315・316へ このページの先頭に戻る