巻次 - 413頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 万善は自力なれば勤修を貶す、円満の徳号、専称を勧む。三不三信の誨え慇懃にして、像末法滅同じく悲引す、と。一生悪を造れども弘誓に遇えば、安養界に至って妙果を証す。善導、独り仏の正意に明らかなり、深く本願に藉って真宗を興ず。定散と逆悪とを矜哀して、光明名号、因縁を示す。涅槃の門に入るは、真心に値うなり、必ず信・喜・悟の忍を獲れば、難思議往生を得る人なり、すなわち法性の常楽を証す、と。源信、広く一代の教を開く、ひとえに安養に帰して一切を勧む、諸経論に依って教行を撰びたまう。誠にこれ濁世の目足とす。得失を専雑に決判して、念仏の真実門に回入せしむ。ただ浅深を執心に定めて、報化二土正しく弁立せり、と。源空、もろもろの聖典を暁了して、善悪凡夫人を憐愍せしむ。真宗の教証、片州に興ず、選択本願、濁世に施す。生死流転の家に還来すること、決するに疑情をもって所止とす、速やかに寂静無為の楽に入れることは、必ず信心をもって能入とす、といえり。 漢文 万善自力貶勤修、円満徳号、勧専称。三不三信誨慇懃、像末法滅同悲引。一生造悪遇弘誓、至安養界証妙果。善導独明仏正意、深藉本願興真宗。矜哀定散与逆悪、光明名号、示因縁。入涅槃門値真心、必獲於信喜悟忍、得難思議往生人、即証法性之常楽。源信広開一代教、偏帰安養勧一切、依諸経論撰教行。誠是為濁世目足。決判得失於専雑、回入念仏真実門。唯定浅深於執心、報化二土正弁立。源空暁了諸聖典、憐愍善悪凡夫人。真宗教証、興片州、選択本願、施濁世。還来生死流転家、決以疑情為所止、速入寂静無為楽、必以信心為能入。 紙面画像を印刷 前のページ p413 次のページ 第二版p491・492へ このページの先頭に戻る