巻次 第三帖 807頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 のなり。これによりて、いまこの時節にいたりて、本願真実の信心を獲得せしむるひとなくは、まことに宿善のもよおしにあずからぬ身とおもうべし。もし宿善開発の機にてもわれらなくは、むなしく今度の往生は不定なるべきこと、なげきてもなおかなしむべきは、ただこの一事なり。しかるにいま、本願の一道にあいがたくして、まれに無上の本願にあうことをえたり。まことによろこびのなかのよろこび、なにごとかこれにしかん。とうとむべし、信ずべし。これによりて、年月日ごろ、わがこころのわろき迷心をひるがえして、たちまちに本願一実の他力信心にもとづかんひとは、真実に聖人の御意にあいかなうべし。これしかしながら、今日聖人の報恩謝徳の御こころざしにもあいそなわりつべきものなり。あなかしこ、あなかしこ。文明七年五月二十八日書之10 そもそも当流門徒中において、この六か条の篇目のむねをよく存知して、仏法を内心にふかく信じて、外相にそのいろをみせぬようにふるまうべし。しかれば、このごろ当流念仏者において、わざと一流のすがたを他宗に対してこれをあらわすこと、もってのほかのあやまりなり。所詮向後この題目の次第をまもりて、仏法をば修行すべし。もしこのむねをそむかんともがらは、ながく門徒中の一列たるべからざるものなり。一 神社をかろしむることあるべからず。一 諸仏・菩薩ならびに諸堂をかろしむべからず。一 諸宗・諸法を誹謗すべからず。一 守護・地頭を疎略にすべからず。 紙面画像を印刷 前のページ p807 次のページ 第二版p972・973へ このページの先頭に戻る