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諸の不善を具せる此くの如きの愚人、悪業を以ての故に悪道に堕すべし。多劫を経歴して、苦を受くること窮まり無からん。此くの如きの愚人、命終の時に臨みて、善知識の、種種に安慰して、為に妙法を説き、教えて念仏せしむるに遇わん。此の人、苦に逼められて念仏するに遑あらず。善友、告げて言わく、「汝若し念ずるに能わずは、無量寿仏と称すべし」と。是くの如く心を至して、声をして絶えざらしめて、十念を具足して南無阿弥陀仏と称せしむ。仏名を称するが故に、念念の中に於いて八十億劫の生死の罪を除く。命終の時、金蓮華を見る。猶し日輪の如くして其の人の前に住す。一念の頃の如くに、即ち極楽世界に往生することを得ん。蓮華の中に於いて十二大劫を満てて、蓮華、方に開く。観世音・大勢至、大悲の音声を以て、其れが為に広く諸法実相・除滅罪の法を説く。聞き已りて歓喜す。時に応じて即ち菩提の心を発す。是れを「下品下生の者」と名づく。是れを「下輩生想」と名づく。「第十六の

漢文

具諸不善。如此愚人。以悪業故。応堕悪道。経歴多劫。受苦無窮。如此愚人。臨命終時。遇善知識◦種種安慰◦為説妙法◦教令念仏。此人苦逼。不遑念仏。善友告言。汝若不能念者。応称無量寿仏。如是至心。令声不絶◦具足十念◦称南無阿弥陀仏。称仏名故。於念念中。除八十億劫◦生死之罪。命終之時。見金蓮華。猶如日輪。住其人前。如一念頃。即得往生◦極楽世界。於蓮華中。満十二大劫。蓮華方開。観世音大勢至。以大悲音声。為其広説◦諸法実相◦除滅罪法。聞已歓喜。応時即発菩提之心。是名下品下生者。是名下輩生想。名第十六観。