巻次
真仏土
305頁
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より十二部を出だす、十二部経より修多羅を出だす、修多羅より方等経を出だす、方等経より般若波羅蜜を出だす、般若波羅蜜より大涅槃を出だす。なお醍醐のごとし。醍醐というは、仏性に喩う。仏性は、すなわちこれ如来なり。善男子、かくのごときの義のゆえに、説きて「如来所有の功徳、無量無辺不可称計」と言えり、と。抄出
 (梵行品)また言わく、善男子、道に二種あり。一つには常、二つには無常なり。菩提の相に、また二種あり。一つには常、二つには無常なり。涅槃もまたしかなり。外道の道を名づけて無常とす、内道の道はこれを名づけて常とす。声聞・縁覚所有の菩提を名づけて無常とす、菩薩・諸仏の所有の菩提、これを名づけて常とす。外の解脱は名づけて無常とす、内の解脱はこれを名づけて常とすと。善男子、道と菩提および涅槃と、ことごとく名づけて常とす。一切衆生は、常に無量の煩悩のために覆われて慧眼なきがゆえに、見ることを得ることあたわずして、もろもろの衆生、戒定慧を修するを見んと欲うがために、修行をもってのゆえに、道と菩提とおよび涅槃とを見る。これを菩薩の得道菩提涅槃と名づく。道の性相、実に不生滅なり。この義をもってのゆえに、捉持すべからず。乃至 道は色像なしといえども、見つべし、称量して知りぬべし、しかるに実に用ありと。乃至 衆生の心のごときは、これ色にあらず、長にあらず短にあらず、麁にあらず細にあらず、縛にあらず解にあらず、見にあらずといえども、法としてまたこれ有なり、と。抄出
 (徳王品)また言わく、善男子、大楽あるがゆえに大涅槃と名づく。涅槃は無楽なり。四楽をもってのゆえに大涅槃と名づく。何等をか四とする。一つには諸楽を断ずるがゆえに。楽を断ぜざるは、すなわち名づけて苦