巻次
真仏土
352頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

男子。仏も亦是くの如し。仏より十二部経を出だす。十二部経より修多羅を出だす。修多羅より方等経を出だす。方等経より般若波羅蜜を出だす。般若波羅蜜より大涅槃を出だす。猶醍醐の如し。「醍醐」と言うは、仏性に喩う。仏性は即ち是れ如来なり。善男子。是くの如きの義の故に、説きて「如来所有の功徳、無量無辺不可称計」と言えり」と。抄出
 又言わく(梵行品)、「善男子。道に二種有り。一には常、二には無常なり。菩薩の相に亦二種有り。一には常、二には無常なり。涅槃も亦爾なり。外道の道を、名づけて「無常」とす。内道の道は、之を名づけて「常」とす。声聞・縁覚所有の菩提を、名づけて「無常」とす。菩薩・諸仏の所有の菩提、之を名づけて「常」とす。外の解脱は、名づけて「無常」とす。内の解脱は、之を名づけて「常」とすと。善男子。道と菩提及以び涅槃と、悉く名づけて「常」とす。一切衆生は、常に無量の煩悩の為に覆われて慧眼無きが故に、見ることを得ること能わずして、諸の衆生、戒・定・慧を修するを見んと欲うが為に修行するを以ての故に、道と菩提と及以び涅槃とを見る。是れを「菩薩の得道・菩提・涅槃」と名づく。道の性相、実に不生滅なり。是の義を以ての故に、投持すべからず。乃至 道は色像無しと雖も見つべし。称量して知りぬべし。而るに実に用有りと。乃至 衆生の心の如きは、是れ色に非ず、長に非ず、短に非ず、麁に非ず、細に非ず、縛に非ず、解に非ず、見に非ずと雖も、法而として亦是れ有なり」と。抄出
 又言わく(徳王菩薩品)、「善男子。大楽有るが故に「大涅槃」と名づく。涅槃は無楽なり。四楽を