巻次 真仏土 353頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 以ての故に「大涅槃」と名づく。何等をか四とする。一には諸楽を断ずるが故に。楽を断ぜざるは則ち名づけて「苦」とす。若し苦有らば「大楽」と名づけず。楽を断ずるを以ての故に則ち苦有ること無けん。無苦無楽、乃ち「大楽」と名づく。涅槃の性は無苦無楽なり。是の故に涅槃を名づけて「大楽」とす。是の義を以ての故に「大涅槃」と名づく。復た次に善男子。楽に二種有り。一には凡夫、二には諸仏なり。凡夫の楽は無常敗壊なり。是の故に無楽なり。諸仏は常楽なり。変易有ること無きが故に「大楽」と名づく。復た次に善男子。三種の受有り。一には苦受、二には楽受、三には不苦不楽受なり。不苦不楽、是れ亦苦とす。涅槃も不苦不楽に同じと雖も、然るに「大楽」と名づく。大楽を以ての故に「大涅槃」と名づく。 二には大寂静の故に名づけて「大楽」とす。涅槃の性、是れ大寂静なり。何を以ての故に。一切憒閙の法を遠離せる故に。大寂を以ての故に「大涅槃」と名づく。 三には一切智の故に名づけて「大楽」とす。一切智に非ざるをば「大楽」と名づけず。諸仏如来は一切智の故に名づけて「大楽」とす。大楽を以ての故に「大涅槃」と名づく。 四には身不壊の故に名づけて「大楽」とす。身、若し壊すべきは則ち「楽」と名づけず。如来の 紙面画像を印刷 前のページ p353 次のページ 初版p305・306へ このページの先頭に戻る