巻次 化末 388頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 た未来の事を知る。他心智を得、弁才無碍ならしむ。よく衆生をして世間の名利の事に貪着せしむ。また人をして、しばしば瞋り、しばしば喜ばしめ、性無常の准ならしむ。あるいは多く慈愛し、多く睡り、多く宿る、多く病す、その心懈怠なり。あるいは、にわかに精進を起こして、後にはすなわち休廃す。不信を生じて、疑い多く、慮多し。あるいは本の勝行を捨てて、更に雑業を修せしめ、もしは世事に着せしめ、種種に牽纒せらる。またよく人をしてもろもろの三昧の少分相似せるを得しむ。みなこれ外道の所得なり、真の三昧にあらず。あるいはまた、人をしてもしは一日、もしは二日、もしは三日、乃至七日、定中に住して、自然の香美飲食を得しむ。身心適悦して、飢えず渇かず、人をして愛着せしむ。あるいはまた、人をして食に分斉なからしむ。たちまちに多く、たちまちに少なくして、顔色変異す。この義をもってのゆえに、行者常に、智慧をして観察して、この心をして邪網に堕せしむることなかるべし。当に勤めて正念にして、取らず着せずして、すなわちよくこのもろもろの業障を遠離すべし。知るべし、外道の所有の三昧は、みな見愛我慢の心を離れず、世間の名利恭敬に貪着するがゆえなり、と。已上 『弁正論』 法琳の撰 に曰わく、十喩九箴篇、答す、李道士、十異九迷 外の一異に曰わく、太子老君は、神を玄妙玉女に託して、左腋を割きて生まれたり。釈迦牟尼は、胎を摩邪夫人に寄せて、右脇を開きて出でたり、と。乃至 内の一喩に曰わく、老君は、常に逆い、牧女に託きて左より出ず。世尊は、化に順いて、聖母に因りて右より出でたまう、と。 紙面画像を印刷 前のページ p388 次のページ 第二版p458~460へ このページの先頭に戻る