巻次 化末 398頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 細しく枝異を尋ぬれば三種を出でず。一つには慢悵鬼、二つには時媚鬼、三つには魔羅鬼なり。三種の発相、おのおの不同なり、と。 (往生要集)源信、『止観』に依って云わく、魔は煩悩に依って菩提を妨ぐるなり。鬼は病悪を起こす、命根を奪う。已上 『論語』に云わく、季路問わく、「鬼神に事えんか」と。子の曰わく、「事うることあたわず。人いずくんぞ能く鬼神に事えんや」と。已上抄出 竊かに以みれば、聖道の諸教は行証久しく廃れ、浄土の真宗は証道いま盛なり。しかるに諸寺の釈門、教に昏くして真仮の門戸を知らず、洛都の儒林、行に迷うて邪正の道路を弁うることなし。ここをもって興福寺の学徒、 太上天皇 諱尊成、 今上 諱為仁 聖暦・承元丁の卯の歳、仲春上旬の候に奏達す。 主上臣下、法に背き義に違し、忿を成し怨を結ぶ。 これに因って、真宗興隆の大祖源空法師、ならびに門徒数輩、罪科を考えず、猥りがわしく死罪に坐す。あるいは僧儀を改めて姓名を賜うて、遠流に処す。予はその一なり。しかればすでに僧にあらず俗にあらず。このゆえに「禿」の字をもって姓 漢文 竊以聖道諸教行証久廃浄土真宗証道今盛。然諸寺釈門昏教兮不知真仮門戸、洛都儒林迷行兮無弁邪正道路。斯以興福寺学徒、奏達太上天皇 諱尊成今上 諱為仁 聖暦承元丁卯歳仲春上旬之候。 主上臣下背法違義成忿結怨。因茲真宗興隆大祖源空法師幷門徒数輩不考罪科猥坐死罪。或改僧儀賜姓名処遠流。予其一也。 紙面画像を印刷 前のページ p398 次のページ 第二版p472・473へ このページの先頭に戻る