巻次 化末 400頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 綽空の字を改めて、同じき日、御筆をもって名の字を書かしめたまい畢りぬ。本師聖人、今年は七旬三の御歳なり。『選択本願念仏集』は、禅定博陸 月輪殿兼実・法名円照 の教命に依って撰集せしむるところなり。真宗の簡要、念仏の奥義、これに摂在せり。見る者諭り易し。誠にこれ、希有最勝の華文、無上甚深の宝典なり。年を渉り日を渉りて、その教誨を蒙るの人、千万といえども、親と云い疎と云い、この見写を獲るの徒、はなはだもって難し。しかるに既に製作を書写し、真影を図画せり。これ専念正業の徳なり、これ決定往生の徴なり。仍って悲喜の涙を抑えて由来の縁を註す。 慶ばしいかな、心を弘誓の仏地に樹て、念を難思の法海に流す。深く如来の矜哀を知りて、良に師教の恩厚を仰ぐ。慶喜いよいよ至り、至孝いよいよ重し。これに因って、真宗の詮を鈔し、浄土の要を摭う。ただ仏恩の深きことを念じて、人倫の嘲を恥じず。もしこの書を見聞せん者、信順を因とし疑謗を縁として、信楽を願力に彰し、妙果を安養に顕さんと。 漢文 重願不虚、衆生称念必得往生之真文。又依夢告改綽空字同日以御筆令書名之字畢。本師聖人今年七旬三御歳也。選択本願念仏集者依禅定博陸 月輪殿兼実法名円照 之教命所令撰集也。真宗簡要念仏奥義摂在于斯、見者易諭。誠是希有最勝之華文無上甚深之宝典也。渉年渉日蒙其教誨之人雖千万、云親云疎獲此見写之徒、甚以難。爾既書写製作図画真影。是専念正業之徳也、是決定往生之徴也。仍抑悲喜之涙註由来之縁。慶哉樹心弘誓仏地流念難思法海深知如来矜哀良仰師教恩厚慶喜弥至至孝弥重。因茲鈔真宗詮摭浄土要。唯念仏恩深不恥人倫嘲。若見聞斯書者、信 紙面画像を印刷 前のページ p400 次のページ 第二版p474~476へ このページの先頭に戻る