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宮殿・楼閣、その形色に称う。高下大小なり。あるいは一宝・二宝、乃至、無量の衆宝、意の所欲に随いて、念に応じてすなわち至る。また衆宝の妙衣をもって、遍くその地に布けり。一切の天人これを践みて行く。無量の宝網、仏土に弥覆せり。みな金縷・真珠・百千の雑宝、奇妙珍異なるをもって荘厳し交飾せり。四面に周帀して垂るるに宝鈴をもってす。光色晃耀にして、尽極厳麗にして自然の徳風、徐く起こりて微動す。その風調和にして、寒からず暑からず。温涼柔軟にして遅からず疾からず。もろもろの羅網およびもろもろの宝樹を吹くに、無量微妙の法音を演発し、万種温雅の徳香を流布す。それ聞ぐことあれば、塵労垢習、自然に起こらず、風その身に触るるに、みな快楽を得。たとえば比丘の滅尽三昧を得るがごとし。
 また風、華を吹き散らして遍く仏土に満つ。色の次第に随いて雑乱せず。柔軟光沢にして馨香芬烈せり。足その上を履むに、陥み下ること四寸。足を挙げ已るに随いて還復すること故のごとし。

漢文

所居舎宅 宮殿楼閣、称其形色。高下大小。或一宝二宝、乃至無量衆宝、随意所欲、応念即至。又以衆宝妙衣、遍布其地。一切天人、践之而行。無量宝網、弥覆仏土。皆以金縷真珠 百千雑宝 奇妙珍異、荘厳交飾。周帀四面、垂以宝鈴。光色晃耀、尽極厳麗、自然徳風、徐起微動。其風調和、不寒不暑。温涼柔軟、不遅不疾。吹諸羅網 及衆宝樹、演発無量 微妙法音、流布万種 温雅徳香。其有聞者、塵労垢習、自然不起。風触其身、皆得快楽。譬如比丘得滅尽三昧。
又風吹散華、遍満仏土。随色次第、而不雑乱。柔軟光沢、馨香芬烈。足履其上、陥下四寸。随挙足已、還復如故。