巻次
巻下
50頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
漢文
画像情報
画像情報
本文

憍慢と弊と懈怠とは、 もってこの法を信じ難し。
宿世に諸仏を見たてまつれば、 楽んでかくのごときの教を聴かん。
声聞あるいは菩薩、 能く聖心を究むるものなし。
たとえば生まれてより盲いたるもの、 行いて人を開導せんと欲うがごとし。
如来の智慧海は、 深広にして涯底なし。
二乗の測るところにあらず。 唯仏のみ独り明らかに了りたまえり。
たとい一切人、 具足してみな道を得て、
浄慧、本空を知らん。 億劫に仏智を思いて、
力を窮め、極めて講説して、 寿を尽くすともなお知らじ、
仏慧の辺際なきことを。 かくのごとくして清浄に致る。
寿命は甚だ得難し。 仏世また値い難し。
人、信慧あること難し。 もし聞かば精進して求めよ。
法を聞きて能く忘れず、 見て敬い得て大きに慶べば、

漢文

憍慢弊懈怠  難以信此法
宿世見諸仏  楽聴如是教
声聞或菩薩  莫能究聖心
譬如従生盲  欲行開導人
如来智慧海  深広無涯底
二乗非所測  唯仏独明了
仮使一切人  具足皆得道
浄慧知本空  億劫思仏智
窮力極講説  尽寿猶不知
仏慧無辺際  如是致清浄
寿命甚難得  仏世亦難値
人有信慧難  若聞精進求
聞法能不忘  見敬得大慶