聖教・巻次一覧

還相回向の大悲をう
如来の回向なかりせば
浄土の菩提はいかがせん

大願のふねに乗じてぞ
生死のうみにうかみつつ
有情をよぼうてのせたまう

ふかく信ぜんひとはみな
ねてもさめてもへだてなく
南無阿弥陀仏をとなうべし

自力の心をむねとして
他力不思議にいりぬれば
義なきを義とすと信知せり

修すべき有情のなきゆえに
さとりうるもの末法に
一人もあらじとときたまう

哀愍摂受したまいて
真実信心すすめしめ
定聚のくらいにいれしめよ

うやまいおおきによろこべば
すなわちわが親友ぞと
教主世尊はほめたまう

身を粉にしても報ずべし
師主知識の恩徳も
ほねをくだきても謝すべし

如来の諸智を疑惑して
罪福信じ善本を
たのめば辺地にとまるなり

自力の称念このむゆえ
辺地懈慢にとどまりて
仏恩報ずるこころなし

仏智の不思議をうたがいて
疑城胎宮にとどまれば
三宝にはなれたてまつる

懈慢辺地にとまるなり
疑惑のつみのふかきゆえ
年歳劫数をふるととく