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(46)仏智不思議を信ずれば

正定聚にこそ住しけれ
化生のひとは智慧すぐれ
無上覚をぞさとりける

(47)不思議の仏智を信ずるを

報土の因としたまえり
信心の正因うることは
かたきがなかになおかたし

(48)無始流転の苦をすてて

無上涅槃を期すること
如来二種の回向の
恩徳まことに謝しがたし

(49)報土の信者はおおからず

化土の行者はかずおおし
自力の菩提かなわねば
久遠劫より流転せり

(50)南無阿弥陀仏の回向の

恩徳広大不思議にて
往相回向の利益には
還相回向に回入せり

(51)往相回向の大慈より

還相回向の大悲をう
如来の回向なかりせば
浄土の菩提はいかがせん

(52)弥陀観音大勢至

大願のふねに乗じてぞ
生死のうみにうかみつつ
有情をよぼうてのせたまう

(53)弥陀大悲の誓願を

ふかく信ぜんひとはみな
ねてもさめてもへだてなく
南無阿弥陀仏をとなうべし