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17ときに慈氏菩薩の

世尊にもうしたまいけり
何因何縁いかなれば
胎生化生となづけたる

18如来慈氏にのたまわく

疑惑の心をもちながら
善本修するをたのみにて
胎生辺地にとどまれり

19仏智疑惑のつみゆえに

五百歳まで牢獄に
かたくいましめおわします
これを胎生とときたまう

20仏智不思議をうたがいて

罪福信ずる有情は
宮殿にかならずうまるれば
胎生のものとときたまう

21自力の心をむねとして

不思議の仏智をたのまねば
胎宮にうまれて五百歳
三宝の慈悲にはなれたり

22仏智の不思議を疑惑して

罪福信じ善本を
修して浄土をねがうをば
胎生というとときたまう

23仏智うたがうつみふかし

この心おもいしるならば
くゆるこころをむねとして
仏智の不思議をたのむべし

已上二十三首仏(智)不思議の弥陀の御ちかいをうたがうつみとがをしらせんとあらわせるなり

愚禿善信作


皇太子聖徳奉讃

1仏智不思議の誓願を

聖徳皇のめぐみにて
正定聚に帰入して
補処の弥勒のごとくなり

2救世観音大菩薩

聖徳皇と示現して
多多のごとくすてずして
阿摩のごとくにそいたまう

3無始よりこのかたこの世まで

聖徳皇のあわれみに
多多のごとくにそいたまい
阿摩のごとくにおわします