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 仏、阿難に語りたまわく、「無量寿仏、もろもろの声聞・菩薩大衆のために法を班宣したまう時、すべてことごとく七宝講堂に集会して、広く道教を宣べ妙法を演暢したまう。歓喜せざることなし。心に解り道を得、すなわちの時に四方より自然に風起ちて、普く宝樹を吹くに五つの音声を出だす。無量の妙華を雨らして、風に随いて周遍す。自然に供養せん。かくのごとくして絶えずして、一切の諸天、みな天上の百千の華香・万種の伎楽をもって、その仏およびもろもろの菩薩・声聞大衆を供養したまう。普く華香を散じて、もろもろの音楽を奏し、前後に来往してかわるがわる相開避す。この時に当りて、熈怡快楽勝げて言うべからず。」
 仏、阿難に語りたまわく、「かの仏国に生ずるもろもろの菩薩等は、講説すべきところには常に正法を宣べ、智慧に随順して違なく失なし。その国土の所有の万物において、我所の心なし。染着の心なし。去来進止、情に係くるところなし。意に随いて自在なり。適莫するところなし。彼なく我なし。競なく訟なし。もろ

漢文

忽然軽挙、還其本国。
仏語阿難。無量寿仏、為諸声聞 菩薩大衆、班宣法時、都悉集会 七宝講堂、広宣道教、演暢妙法。莫不歓喜。心解得道、即時四方 自然風起、普吹宝樹、出五音声。雨無量妙華、随風周遍。自然供養。如是不絶、一切諸天、皆齎天上 百千華香 万種伎楽、供養其仏 及諸菩薩 声聞大衆。普散華香、奏諸音楽、前後来往、更相開避。当斯之時、熈怡快楽、不可勝言。
仏語阿難。生彼仏国 諸菩薩等、所可講説、常宣正法、随順智慧、無違無失。於其国土 所有万物、無我所心。無染着心。去来進止、情無所係。随意自在。無所適莫。無彼無我。無競無訟。