巻次 - 576頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 十一月九日 親鸞慈信御坊 真仏坊・性信坊・入信坊、このひとびとのこと、うけたまわりそうろう。かえすがえす、なげきおぼえそうらえども、ちからおよばずそうろう。また、余のひとびとのおなじこころならずそうろうらんも、ちからおよばずそうろう。ひとびとのおなじこころならずそうらえば、とかくもうすにおよばず。いまは、ひとのうえももうすべきにあらずそうろう。よくよくこころえたまうべし。慈信御坊 親鸞(一二) さては、念仏のあいだのことによりて、ところせきようにうけたまわりそうろう。かえすがえすこころぐるしくそうろう。詮ずるところ、そのところの縁ぞつきさせたまいそうろうらん。念仏をさえらるなんどもうさんことに、ともかくもなげきおぼしめすべからずそうろう。念仏とどめんひとこそ、いかにもなりそうらわめ。もうしたまうひとはなにかくるしくそうろうべき。余のひとびとを縁として念仏をひろめんとはからいあわせたまうこと、ゆめゆめあるべからずそうろう。そのところに、念仏のひろまりそうらわんことも、仏天の御はからいにてそうろうべし。慈信坊がようようにもうしそうろうなるによりて、ひとびとも御こころどものようようにならせたまいそうろうよし、うけたまわりそうろう。かえすがえす不便のことにそうろう。ともかくも、仏天の御はからいにまかせまいらせさせたまうべし。そのところの縁つきておわしましそうらわば、いずれのところにても、うつらせたまいそうろうておわしますように御はからいそうろうべし。慈信坊がもう 紙面画像を印刷 前のページ p576 次のページ 第二版p705・706へ このページの先頭に戻る