巻次
第二帖
780頁
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をば修行すべきものなり。

文明第五 十二月十二日夜書之

3 それ、当流開山聖人のひろめたまうところの一流のなかにおいて、みな勧化をいたすに、その不同これあるあいだ、所詮向後は、当山多屋坊主已下そのほか一巻の聖教をよまんひとも、また来集の面々も、各々に当門下にその名をかけんともがらまでも、この三か条の編目をもってこれを存知せしめて、自今已後、その成敗をいたすべきものなり。

一 諸法・諸宗ともにこれを誹謗すべからず。
一 諸神・諸仏・菩薩をかろしむべからず。
一 信心をとらしめて報土往生をとぐべき事。

 右この三か条のむねをまもりて、ふかく心底にたくわえて、これをもって本とせざらんひとびとにおいては、この当山へ出入を停止すべきものなり。そもそもさんぬる文明第三の暦、仲夏のころより、花洛をいでて、同じき年、七月下旬の候、すでにこの当山の風波あらき在所に草庵をしめて、この四か年のあいだ居住せしむる根元は、別の子細にあらず。この三か条のすがたをもって、かの北国中において、当流の信心未決定のひとを、おなじく一味の安心になさんがためのゆえに、今日今時まで堪忍せしむるところなり。よって、このおもむきをもってこれを信用せば、まことにこの年月の在国の本意たるべきものなり。
 一 神明ともうすは、それ、仏法において信もなき衆生の、むなしく地獄におちんことを、かなしみおぼし