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と。「かの国の人民、胎生の者あり。汝また見るや、いなや」と。対えて曰さく、「すでに見たまえつ」と。「その胎生の者の処するところの宮殿、あるいは百由旬、あるいは五百由旬なり。おのおのその中にしてもろもろの快楽を受くること、忉利天上のごとし。またみな自然なり」と。
 その時に慈氏菩薩、仏に白して言さく、「世尊、何の因、何の縁なれば、かの国の人民、胎生化生なる」と。仏、慈氏に告げたまわく、「もし衆生ありて、疑惑の心をもってもろもろの功徳を修して、かの国に生ぜんと願ぜん。仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・無等無倫最上勝智を了らずして、この諸智において疑惑して信ぜず。しかるに猶し罪福を信じ善本を修習してその国に生ぜんと願ぜん。このもろもろの衆生、かの宮殿に生まれて寿五百歳、常に仏を見たてまつらず。経法を聞かず。菩薩・声聞聖衆を見ず。このゆえにかの国土においてこれを胎生と謂う。
 もし衆生ありて、明らかに仏智、乃至、勝智を信じて、もろもろの功徳を作して信心回向せん。このもろもろの衆生、七宝華の

漢文

生者、所処宮殿、或百由旬、或五百由旬。各於其中、受諸快楽、如忉利天上。亦皆自然。
爾時慈氏菩薩、白仏言世尊、何因何縁、彼国人民、胎生化生。仏告慈氏。若有衆生、以疑惑心、修諸功徳、願生彼国。不了仏智 不思議智 不可称智 大乗広智 無等無倫最上勝智、於此諸智、疑惑不信。然猶信罪福、修習善本、願生其国。此諸衆生、生彼宮殿、寿五百歳、常不見仏。不聞経法。不見菩薩 声聞聖衆。是故於彼国土、謂之胎生。若有衆生、明信仏智 乃至勝智、作諸功徳、信心回向。此諸衆生、