巻次 第四帖 823頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 りときこえたり。もってのほかなげかしき次第なり。一 すえずえの門下のたぐいは、他力の信心のとおり聴聞のともがらこれおおきところに、坊主よりこれを腹立せしむるよし、きこえはんべり。言語道断の次第なり。一 田舎より参詣の面々の身上において、こころうべき旨あり。そのゆえは、他人の中ともいわず、また大道路次なんどにても、関屋船中をもはばからず、仏法方の讃嘆をすること、勿体なき次第なり。かたく停止すべきなり。一 当流の念仏者を、あるいは人ありて、「なに宗ぞ」とあいたずぬることたといありとも、しかと「当宗念仏者」とこたうべからず。ただ、「なに宗ともなき念仏者なり」とこたうべし。これすなわちわが聖人のおおせおかるるところの、仏法者気色みえぬふるまいなるべし。このおもむきを、よくよく存知して、外相にそのいろをはたらくべからず。まことにこれ当流の念仏者のふるまいの正義たるべきものなり。一 仏法の由来を、障子かきごしに聴聞して、内心に、さぞとたとい領解すというとも、かさねて、人にそのおもむきをよくよくあいたずねて、信心のかたをば治定すべし。そのまま我が心にまかせば、かならずかならず、あやまりなるべし。ちかごろこれらの子細当時さかんなりと云々一 信心をえたるとおりをば、いくたびもいくたびも、人にたずねて、他力の安心をば治定すべし。一往聴聞しては、かならずあやまりあるべきなり。 右此の六か条のおもむき、よくよく存知すべきものなり。近年仏法は、人みな聴聞すとはいえども、一往の 紙面画像を印刷 前のページ p823 次のページ 第二版p989・990へ このページの先頭に戻る