巻次
163頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
漢文
画像情報
画像情報
本文

顕浄土真実教文類一

愚禿釈親鸞集


 謹んで浄土真宗を案ずるに、二種の回向有り。一には往相、二には還相なり。往相の回向に就いて、真実の教・行・信・証有り。
 夫れ真実の教を顕さば則ち『大無量寿経』、是れなり。
 斯の『経』の大意は、弥陀、誓を超発して、広く法蔵を開きて、凡小を哀みて選びて功徳の宝を施することを致す。釈迦、世に出興して、道教を光闡して、群萌を拯い恵むに真実の利を以てせんと欲すなり。
 是を以て、如来の本願を説きて『経』の宗致とす、

漢文

謹案浄土真宗、有二種回向。一者往相、二者還相。就往相回向有真実教行信証。
夫顕真実教者則『大無量寿経』是也。
斯経大意者、弥陀、超発於誓広開法蔵、致哀凡小選施功徳之宝。釈迦、出興於世光闡道教、欲拯群萌恵以真実之利。
是以説如来本願為経宗致、即以仏名