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願の生起本末を聞きて疑心有ること無し。是れを「聞」と曰うなり。「信心」と言うは則ち本願力回向の信心なり。「歓喜」と言うは身心の悦予の貌を形すなり。「乃至」と言うは多少の言を摂するなり。「一念」と言うは、信心、二心無きが故に「一念」と曰う。是れを「一心」と名づく。一心は則ち清浄報土の真因なり。
 金剛の真心を獲得すれば、横に五趣八難の道を超え、必ず現生に十種の益を獲。何者か十とする。一には冥衆護持の益、二には至徳具足の益、三には転悪成善の益、四には諸仏護念の益、五には諸仏称讃の益、六には心光常護の益、七には心多歓喜の益、八には知恩報徳の益、九には常行大悲の益、十には正定聚に入る益なり。
 宗師(善導)の「専念」と云えるは即ち是れ一行なり、「専心」と云えるは即ち是れ一心なり。
 然れば願成就の一念は即ち是れ専心なり。専心即

漢文

末無有疑心。是曰聞也。言「信心」者則本願力回向之信心也。言「歓喜」者形身心悦予之貌也。言「乃至」者摂多少之言也。言「一念」者信心無二心故曰一念。是名一心。一心則清浄報土真因也。
獲得金剛真心者、横超五趣八難道、必獲現生十種益。何者為十。一者冥衆護持益、二者至徳具足益、三者転悪成善益、四者諸仏護念益、五者諸仏称讃益、六者心光常護益、七者心多歓喜益、八者知恩報徳益、九者常行大悲益、十者入正定聚益也。
宗師云「専念」即是一行、云「専心」即是一心也。
然者願成就一念即是専心。専心即是深心。