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即ち懈慢界、是れなり。亦『大無量寿経』の説の如し。即ち疑城胎宮、是れなり。
 然るに、濁世の群萌、穢悪の含識、乃し九十五種の邪道を出でて、半満権実の法門に入ると雖も、真なる者は甚だ以て難く、実なる者は甚だ以て希なり。偽なる者は甚だ以て多く、虚なる者は甚だ以て滋し。
 是を以て、釈迦牟尼仏、福徳蔵を顕説して、群生海を誘引し、阿弥陀如来、本、誓願を発して、普く諸有海を化したまう。既にして悲願有す。「修諸功徳の願」と名づく、復た「臨終現前の願」と名づく、復た「現前導生の願」と名づく、復た「来迎引接の願」と名づく、亦「至心発願の願」と名づくべきなり。

 是を以て『大経』の願に言わく、「設い我、仏を得んに、十方の衆生、菩提心を発し諸の功徳を修し、心を至し発願して我が国に生まれんと欲わん。寿終の時に臨みて、仮令い大衆と囲遶して、其の人の前に現ぜずは、正覚を取らじ」と。
 『悲華経』の「大施品」に言わく、「願わくは我、阿耨多羅三藐三菩提を成り已らんに、其の余

漢文

亦如『大無量寿経』説。即疑城胎宮是也。
然濁世群萌穢悪含識、乃出九十五種之邪道、雖入半満権実之法門、真者甚以難、実者甚以希。偽者甚以多、虚者甚以滋。
是以釈迦牟尼仏、顕説福徳蔵、誘引群生海、阿弥陀如来、本発誓願、普化諸有海。既而有悲願。名修諸功徳之願、復名臨終現前之願、復名現前導生之願、復名来迎引接之願、亦可名至心発願之願也。