巻次 - 553頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 浄土三経往生文類 大経往生というは、如来選択の本願・不可思議の願海、これを他力ともうすなり。これすなわち念仏往生の願因によりて必至滅度の願果をうるなり。現生に正定聚のくらいに住して、かならず真実報土にいたる。これは阿弥陀如来の往相回向の真因なるがゆえに、無上涅槃のさとりをひらく。これを『大経』の宗致とす。このゆえに大経往生ともうす。また難思議往生ともうすなり。 この如来の往相回向につきて、真実の行業あり。すなわち諸仏称名の悲願にあらわれたり。 称名の悲願は、『大無量寿経』にのたまわく、「設い我、仏を得んに、十方世界の無量の諸仏、悉く咨嗟し我が名を称せずは、正覚を取らじ」と。文 称名信楽の悲願成就の文、『経』(大経)に言わく、「十方恒沙の諸仏如来、皆共に無量寿仏の威神功徳不可思議なるを讃嘆したまう。諸有衆生、其の名号を聞きて信心歓喜して乃至一念せん。至心回向したまえり。彼の国に生まれんと願ずれば、即ち往生を得、不退転に住せん。唯、五 紙面画像を印刷 前のページ p553 次のページ 初版p468へ このページの先頭に戻る