巻次 巻下 82頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 作すに至りて、小微より起こりて遂に大悪と成る。皆財色に貪著して施恵すること能わざるに由りてなり。痴欲に迫められて心に随いて思想す。煩悩結縛して解け已ること有ること無し。己を厚くし利を諍いて省録する所無し。富貴栄華、時に当たりて意を快くす。忍辱すること能わず。務めて善を修せず。威勢幾ばく無くして随いて以て磨滅す。身、労苦に坐して、久しくして後、大きに劇し。天道施張して自然に糺挙す。綱紀羅網、上下相応す。煢煢忪忪として当に其の中に入るべし。古今にも是れ有り。痛ましきかな、傷むべし。」 仏、弥勒に語りたまわく、「世間、是くの如し。仏、皆之を哀みたまいて、威神力を以て、衆悪を摧滅して悉く善に就けしめたまう。所思を棄捐し経戒を奉持し、道法を受行して、違失する所無し。終に度世・泥洹の道を得。」 仏の言わく、「汝、今、諸天・人民及び後世の人、仏の経語を得て、当に熟つら之を思いて、能く其の中にして心を端しくし行を正しくすべし。主上、善を為し 漢文 微起。遂成大悪。皆由貪著財色◦不能施恵。痴欲所迫。随心思想。煩悩結縛。無有解已。厚己諍利。無所省録。富貴栄華。当時快意。不能忍辱。不務修善。威勢無幾。随以磨滅。身坐労苦。久後大劇。天道施張。自然糺挙。綱紀羅網。上下相応。煢煢忪忪。当入其中。古今有是。痛哉可傷。仏語弥勒。世間如是。仏皆哀之。以威神力。摧滅衆悪。悉令就善。棄捐所思。奉持経戒。受行道法。無所違失。終得度世◦泥洹之道。仏言汝今。諸天人民。及後世人。得仏経語。当熟思之◦能於其中◦端心正行。主上為善。率化其下。転相勅令。各自端守◦尊聖敬善。仁慈博愛。仏語 紙面画像を印刷 前のページ p82 次のページ 初版p76・77へ このページの先頭に戻る