巻次 真仏土 309頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 て生ず。もしもろもろの衆生の根性定ならば、終に先に断じて、断じ已りてまた生ぜざらん。また「一闡提の輩、地獄に堕して寿命一劫なり」と説くべからずと。善男子、このゆえに如来、「一切の法は定相あることなし」と説きたまえり。迦葉菩薩、仏に白して言さく、「世尊、如来は知諸根力を具足して、定んで、善星当に善根を断ずべしと知ろしめさん。何の因縁をもって、その出家を聴したまう」と。仏の言わく、「善男子、我往昔の初において出家の時、吾が弟難陀・従弟阿難・提婆達多、子羅睺羅、かくのごときらの輩、みなことごとく我に随いて家を出でて道を修しき。我もし善星が出家を聴さずは、その人次に当に王位を紹ぐことを得べし。その力自在にして、当に仏法を壊すべし。この因縁をもって、我すなわち、その家を出でて道を修することを聴す。善男子、善星比丘もし出家せずは、また善根を断ぜん、無量世においてすべて利益なけん。いま出家し已りて善根を断ずといえども、よく戒を受持して、耆旧・長宿・有徳の人を供養し恭敬せん。初禅乃至四禅を修習せん。これを善因と名づく。かくのごときの善因、よく善法を生ぜん。善法既に生ぜば、よく道を修習せん。既に道を修習せば、当に阿耨多羅三藐三菩提を得べし。このゆえに我、善星が出家を聴す。善男子、もし我、善星比丘が出家を聴し戒を受けしめずは、すなわち我を称して如来具足十力とすることを得ざらんと。乃至 善男子、如来善く、衆生かくのごとき上中下の根と知ろしめす。このゆえに、仏は具知根力と称せん。」迦葉菩薩、仏に白して言さく、「世尊、如来はこの知根力を具足したまえり。このゆえによく一切衆生の上中下の根・利鈍の差別を知ろしめして、人に随い、意に随い、時に随うがゆえに、如来知諸根力と名づけたてまつる。乃至 あるいは説きて、犯四重禁、作五逆罪、一闡提等みな仏性ありと言うことあり」と。乃至 紙面画像を印刷 前のページ p309 次のページ 第二版p357・358へ このページの先頭に戻る