巻次 真仏土 357頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 定無きを以ての故に、或いは善根を断ず。断じ已りて還りて生ず。若し諸の衆生の根性、定ならば、終に、先に断じて、断じ已りて復た生ぜざらん。亦「一闡提の輩、地獄に堕して寿命一劫なり」と説くべからずと。善男子。是の故に如来、「一切の法は定相有ること無し」と説きたまえり。」 迦葉菩薩、仏に白して言さく、「世尊。如来は知諸根力を具足して、定んで、善星、当に善根を断ずべしと知ろしめさん。何の因縁を以て其の出家を聴したまう」と。 仏の言わく、「善男子。我、往昔の初に於いて出家の時、吾が弟難陀、弟阿難・提婆達多・子羅睺羅に従う。是くの如き等の輩、皆悉く我に随いて家を出で道を修しき。我、若し善星が出家を聴さずは、其の人、次に当に王位を紹ぐことを得べし。其の力自在にして、当に仏法を壊すべし。是の因縁を以て、我、便ち其の家を出で道を修することを聴す。善男子。善星比丘、若し出家せずは、亦善根を断ぜん。無量世に於いて都て利益無けん。今出家し已りて善根を断ずと雖も、能く戒を受持して、耆旧・長宿・有徳の人を供養し恭敬せん。初禅乃至四禅を修習せん。是れを「善因」と名づく。是くの如き善因、能く善法を生ぜん。善法、既に生ぜば、能く道を修習せん。既に道を修習せば、当に阿耨多羅三藐三菩提を得べし。是の故に我、善星が出家を聴す。善男子。若し我、善星比丘が出家を聴し戒を受けずは、則ち我を称して「如来具足十力」 紙面画像を印刷 前のページ p357 次のページ 初版p308・309へ このページの先頭に戻る