巻次
真仏土
358頁
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とすることを得ざらんと。乃至 善男子。如来、善く衆生、是くの如き上中下の根と知ろしめす。是の故に「仏は具知根力」と称せん。」
 迦葉菩薩、仏に白して言さく、「世尊。如来は是の知根力を具足したまえり。是の故に能く一切衆生の上中下の根・利鈍の差別を知ろしめして、人に随い、意に随い、時に随うが故に、「如来知諸根力」と名づけたてまつる。乃至 或いは説きて「犯四重禁・作五逆罪・一闡提等、皆仏性有り」と言うこと有り」と。乃至
 「如来世尊、国土の為の故に、時節の為の故に、他語の為の故に、人の為の故に、衆根の為の故に、一法の中に於いて二種の説を作す。一名の法に於いて無量名を説く。一義の中に於いて無量の名を説く。無量の義に於いて無量の名を説く。
 云何が一名に無量の名を説くや。猶、涅槃の如し。亦「涅槃」と名づく。亦「無生」と名づく。亦「無出」と名づく。亦「無作」と名づく。亦「無為」と名づく。亦「帰依」と名づく。亦「窟宅」と名づく。亦「解脱」と名づく。亦「光明」と名づく。亦「燈明」と名づく。亦「彼岸」と名づく。亦「無畏」と名づく。亦「無退」と名づく。亦「安処」と名づく。亦「寂静」と名づく。亦「無相」と名づく。亦「無二」と名づく。亦「一行」と名づく。亦「清涼」と名づく。亦「無闇」と名づく。亦「無碍」と名づく。亦「無静」と名づく。亦「無濁」と名づく。亦「広大」と名づく。亦「甘露」と名づく。亦「吉祥」と名づく。是れを「一名に無量名を作る」と名づく。