巻次
化末
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念は、仏の色身無量無辺を見たてまつらん、と。略抄
 『日蔵経』巻第十「護塔品」第十三に言わく、時に魔波旬、その眷属八十億衆と、前後に囲遶して仏所に往至せしむ。到り已りて、接足して世尊を頂礼したてまつる。かくのごときの偈を説かく、乃至

三世の諸仏の大慈悲、  我が礼を受けたまえ、一切の殃を懴ぜしむ。
法・僧二宝も、また然なり、  至心帰依したてまつるに異あることなし。
願わくは我今日、世の導師を、  供養し恭敬し尊重したてまつるところなり。
諸悪永く尽くして、また生ぜじ、  寿を尽くすまで如来の法に帰依せん、と。

 時に魔波旬、この偈を説き已りて、仏に白して言さく、「世尊如来、我およびもろもろの衆生において、平等無二の心にして、常に歓喜し、慈悲含忍せん」と。仏の言わく、「かくのごとし。」時に魔波旬、大歓喜を生じて清浄心を発す。重ねて仏前にして接足頂礼し、右に遶ること三帀して、恭敬合掌して、却きて一面に住して、世尊を瞻仰したてまつるに、心に厭足なし、と。已上抄出
 『大方等大集月蔵経』巻第五「諸悪鬼神得敬信品」第八の上に言わく、もろもろの仁者、かの邪見を遠離する因縁において、十種の功徳を獲ん。何等をか十とする。一つには、心性柔善にして伴侶賢良ならん。二つには、業報乃至奪命あることを信じて、もろもろの悪を起こさず。三つには、三宝を帰敬して天神を信ぜず。四つには、正見を得て、歳次日月の吉凶を択ばず。五つには、常に人天に生まれてもろもろの悪道を離る。六つには、賢善の心明らかなることを得、人、讃誉せしむ。七つには、世俗を棄てて常に聖道を求めん。八つには、