巻次
化末
376頁
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この四つの大国は、毘楼勒叉天王、鳩槃荼衆と囲遶して護持し養育せしむ。阿湿婆国・蘇摩国・蘇羅吒国・甘満闍国、この四つの大国は、毘楼博叉天王、もろもろの龍衆と囲遶して護持し養育せしむ。
 大徳婆伽婆、過去の天仙この四天下を護持し養育せしがゆえに、また皆かくのごとき分布安置せしむ。後において、その国土・城邑村落・塔寺・園林・樹下・塚間・山谷・曠野・河泉・陂泊、乃至、海中宝洲・天祠に随いて、かの卵生・胎生・湿生・化生において、もろもろの龍・夜叉・羅刹・餓鬼・毘舎遮・富単那・迦吒富単那等、かの中に生じて、かの処に還住して、繫属するところなし。他の教を受けず。このゆえに願わくは、仏、この閻浮提の一切国土において、かの諸鬼神、分布安置して、護持のためのゆえ、一切もろもろの衆生を護らんがためのゆえに、我等、この説において随喜せんと欲う、と。
 仏の言わく、かくのごとき、大梵、汝が所説のごとし、と。その時に世尊、重ねてこの義を明かさんと欲しめして、偈を説きて言わく、

世間に示現するがゆえに、  導師、梵王に問わまく、
この四天下において、  誰か護持し養育せん、と。
かくのごとき天師梵、  諸天王を首として、
兜率・他化天・  化楽・須夜摩、
よく、かくのごとき四天下を  護持し養育せしむ。
四王および眷属、  またよく護持せしむ。