巻次
化末
385頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

 『月蔵経』巻第八「忍辱品」第十六に言わく、仏の言わく、かくのごとし、かくのごとし、汝が言うところのごとし。もし己が苦を厭い楽を求むるを愛することあらん、当に諸仏の正法を護持すべし。これより当に無量の福報を得べし。もし衆生ありて、我がために出家し鬚髪を剃除して袈裟を被服せん。たとい戒を持たざらん、彼等ことごとくすでに涅槃の印のために印せらるるなり。もしまた出家して戒を持たざらん者、非法をもってして悩乱を作し、罵辱し毀呰せん、手をもって刀杖打縛し斫截することあらん。もし衣鉢を奪い、および種種の資生の具を奪わん者、この人、すなわち三世の諸仏の真実の報身を壊するなり。すなわち一切天人の眼目を排うなり。この人、諸仏所有の正法三宝種を隠没せんと欲うがためのゆえに、もろもろの天人をして利益を得ざらしむ。地獄に堕せんゆえに、三悪道増長し盈満をなすなり、と。已上
 また言わく、その時にまた一切天・龍、乃至一切迦吒富単那・人非人等ありて、みなことごとく合掌して、かくのごときの言を作さく、「我等、仏一切声聞弟子、乃至もしまた禁戒を持たざれども鬚髪を剃除し袈裟を片に着ん者において、師長の想を作さん。護持養育してもろもろの所須を与えて乏少なからしめん。もし余の天・龍、乃至迦吒富単那等、それ悩乱を作し、乃至悪心をして眼をもってこれを視ば、我等ことごとく共に、かの天・龍・富単那等、所有の諸相欠減し醜陋ならしめん。彼をしてまた、我等と共に住し共に食を与うることを得ざらしめん。また同処にして、戯笑を得じ。かくのごとく擯罰せん」と。已上
 (華厳経)また言わく、占相を離れて、正見を修習せしめ、決定して深く罪福の因縁を信ずべし。抄出
 『首楞厳経』に言わく、彼等の諸魔、かの諸鬼神、彼等の群邪、また徒衆ありて、おのおの自ら謂わん。