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 阿難、かの仏国土にもろもろの往生する者は、かくのごときの清浄の色身、もろもろの妙音声、神通功徳を具足す。処するところの宮殿・衣服・飲食・もろもろの妙華香・荘厳の具、猶し第六天の自然の物のごとし。もし食せんと欲う時は、七宝の鉢器、自然に前にあり。金・銀・瑠璃・硨磲・碼碯・珊瑚・琥珀・明月・真珠、かくのごときのもろもろの鉢、意に随いて至る。百味の飲食、自然に盈満す。この食ありといえども、実に食する者なし。但、色を見、香を聞ぐに、意に食をなすと以えり。自然に飽足す。身心柔軟にして、味着するところなし。事已れば化して去る。時至ればまた現ず。かの仏国土は清浄安穏にして微妙快楽なり。無為泥洹の道に次し。そのもろもろの声聞・菩薩・天・人、智慧高明にして、神通洞達せり。ことごとく同じく一類にして、形異状なし。但し余方に因順するがゆえに、天・人の名あり。顔貌端正にして、世に超えて希有なり。容色微妙にして、天にあらず人にあらず。みな、自然虚無の身、無極の体を受けたり。」

漢文

阿難彼仏国土 諸往生者、具足如是 清浄色身 諸妙音声 神通功徳。所処宮殿 衣服飲食 衆妙華香 荘厳之具、猶第六天 自然之物。若欲食時、七宝鉢器、自然在前。金銀瑠璃 硨磲碼碯 珊瑚琥珀 明月真珠、如是諸鉢、随意而至。百味飲食、自然盈満。雖有此食、実無食者。但見色聞香、意以為食。自然飽足。身心柔軟、無所味着。事已化去。時至復現。彼仏国土、清浄安穏、微妙快楽。次於無為 泥洹之道。其諸声聞 菩薩天人、智慧高明、神通洞達。咸同一類、形無異状。但因順余方故、有天人之名。顔貌端正、超世希有。容色微妙、非天非人。皆受自然 虚無之身 無極之体。