正像末
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こころもことばもおよばれず
常没流転の凡愚は
いかでか発起せしむべき
16三恒河沙の諸仏の
出世のみもとにありしとき
大菩提心おこせども
自力かなわで流転せり
17像末五濁の世となりて
釈迦の遺教かくれしむ
弥陀の悲願ひろまりて
念仏往生さかりなり
18超世無上に摂取し
選択五劫思惟して
光明寿命の誓願を
大悲の本としたまえり
19浄土の大菩提心は
願作仏心をすすめしむ
すなわち願作仏心を
度衆生心となづけたり
20度衆生心ということは
弥陀智願の回向なり
回向の信楽うるひとは
大般涅槃をさとるなり
21如来の回向に帰入して
願作仏心をうるひとは
自力の回向をすてはてて
利益有情はきわもなし
22弥陀の智願海水に
他力の信水いりぬれば
真実報土のならいにて
煩悩菩提一味なり
23如来二種の回向を
ふかく信ずるひとはみな
等正覚にいたるゆえ
憶念の心はたえぬなり
24弥陀智願の回向の
信楽まことにうるひとは
摂取不捨の利益ゆえ
等正覚にいたるなり
25五十六億七千万
弥勒菩薩はとしをへん
まことの信心うるひとは
このたびさとりをひらくべし
26念仏往生の願により
等正覚にいたるひと
すなわち弥勒におなじくて
大般涅槃をさとるべし
27真実信心うるゆえに
