巻次 巻下 73頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 大火の、人の身を焚焼するがごとし。人、能く中にして心を一つにし意を制し、身を端しくし行を正しくして、独りもろもろの善を作りて衆悪を為らざれば、身独り度脱して、その福徳、度世・上天・泥洹の道を獲。これを四つの大善とするなり。」 仏の言わく、「その五つの悪というは、世間の人民、徙倚懈惰にして肯て善を作らず。身を治め業を修して、家室・眷属、飢寒困苦す。父母教誨して、目を瞋らし譍を怒らして言令和かならずして、違戻反逆す。たとえば怨家のごとき、子なきには如かず。取与節なくしてすべて共に患え厭う。恩を負き義に違して、報償の心あることなし。貧窮困乏にしてまた得ること能わず。辜較縦奪して放恣遊散す。串数して唐らに得て、もって自ら賑給す。酒に耽り美きに嗜みて、飲食度なし。心を肆に蕩逸して魯扈抵突たり。人の情を識らず。強いて抑制せんと欲う。人の善あるを見て憎嫉してこれを悪む。義なく礼なくして顧難するところなし。自らもって職当して諫暁すべからず。六親眷属の所資、有無、憂念すること能わず。父母の恩を惟わず。師友の義を存ぜず。心に 漢文 如大火 焚焼人身。人能於中、一心制意、端身正行、独作諸善、不為衆悪者、身独度脱、獲其福徳、度世上天 泥洹之道。是為四大善也。仏言其五悪者、世間人民、徙倚懈惰、不肯作善。治身修業、家室眷属、飢寒困苦。父母教誨、瞋目怒譍、言令不和、違戻反逆。譬如怨家、不如無子。取与無節、衆共患厭。負恩違義、無有報償之心。貧窮困乏、不能復得。辜較縦奪、放恣遊散。串数唐得、用自賑給。耽酒嗜美、飲食無度。肆心蕩逸、魯扈牴突。不識人情。強欲抑制。見人有善、憎嫉悪之。無義無礼、無所顧難。自用職当、不可諫暁。六親眷属、所資有無、不能憂念。不惟父母之恩。不存師友之義。 紙面画像を印刷 前のページ p73 次のページ 第二版p78・79へ このページの先頭に戻る