巻次
-
864頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

なり。
43一 同じき七年の夏より、また御違例にて御座候うあいだ、五月七日に、「御いとまごいに、聖人へ御まいりありたき」と、おおせられて、御上洛にて、やがて、おおせには、「信心なきひとには、あうまじきぞ。信をうるものには、めしてもみたくそうろう。あうべし」と云々
44一 いまのひとは、いにしえをたずぬべし。また、ふるきひとは、いにしえをよくつたうべし。物語は、うするものなり。しるしたるものは、うせず候う。
45一 あかおの道宗、もうされそうろう。「一日のたしなみには、あさつとめにかかさじと、たしなめ。一月のたしなみには、ちかきところ、御開山様の御座候うところへまいるべしと、たしなむべし。一年のたしなみには、御本寺へまいるべしと、たしなむべし」と云々 これを円如様きこしめしおよばれ、「よくもうしたる」と、おおせられそうろう。
46一 「わがこころにまかせずして、こころをせめよ。仏法はこころのつまるものかとおもえば、信心に御なぐさみ候う」と、おおせられそうろう。
47一 法敬坊、九十まで存命そうろう。「このとしまで聴聞もうしそうらえども、これまでと存知たることなし。あきたりもなきことなり」と、もうされそうろう。
48一 山科にて御法嘆の御座候うとき、あまりにありがたき御掟どもなりとて、これをわすれもうしてはと存じ、御座敷をたち、御堂へ六人よりて談合そうらえば、面々にききかえられそうろう。そのうちに四人はちが