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りても、しりても、存じたき事なり。仏法の事は、いくたびも、いくたびも、人にとい、きわめ申すべき事なる」由、仰せられ候う。
227一 世間へつかう事は、仏物を徒らにすることよと、おそろしく思うべし。さりながら、仏法の方へは、いかほど物を入れても、あかぬ道理なり。また、報謝にもなるべしと云々
228一 「人の、辛労もせで徳とる上品は、弥陀をたのみて仏になるにすぎたることなし」と、仰せられ候うと云々
229一 皆人毎に、よきことを云いもし、働きもすることあれば、真俗ともに、それを、わが、よき者に、はや、なりて、その心にて、御恩ということは、うちわすれて、わが心、本になるによりて、冥加につきて、世間・仏法、ともに、悪き心が、必ず、必ず、出来するなり。一大事なりと云々
230一 堺にて、兼縁、前々住上人へ、御文を御申し候う。その時、仰せられ候う。「年もより候うに、むつかしきことを申し候う。まずは、わろきことをいうよ」と、仰せられ候う。後に、仰せられ候う。「仏法だに信ぜば、いかほどなりとも、あそばしてしかるべき」由、仰せられしと云々
231一 同じく堺の御坊にて、前々住上人、夜、更けて、蠟燭をともさせ、名号をあそばされ候う。その時、仰せられ候う。「御老体にて、御手も振い、御目もかすみ候えども、「明日、越中へくだり候う」と、申し候うほどに、かようにあそばされ候う。一日夜の事にて候うあいだ、御辛労をかえりみられず、あそばされ候う」と、仰せられ候う。「しかれば、御門徒のために、御身をばすてられ候う。人に辛労をもさせ候わで、ただ、