巻次
-
903頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

し召し候う故の義に候う。
255一 同じく夢に云わく、「同じき年の極月二十八日の夜、前々住上人、御袈裟・衣にて、襖障子をあけられ、御出で候うあいだ、御法談聴聞申すべき心にて候う処に、ついたち障子のようなる物に、『御文』の御詞、御入り候うを、よみ申すを、御覧じて、「それは何ぞ」と、御尋ね候うあいだ、「『御文』にて候う」由、申し上げ候えば、「それこそ肝要。信仰してきけ」と、仰せられけり」と云々
256一 同じく夢に云わく、「翌年極月二十九日、夜、前々住上人、仰せられ候うようは、「家をば、能く作られで、おかしくとも、信心をよくとり、念仏申すべき」由、かたく仰せられ候いけり」と云々
257一 同じく夢に云わく、近年、大永三、正月一日の夜の夢に云わく、「野村殿南殿にて、前々住上人、仰せに云わく、仏法のこと、色々仰せられ候いて後、「田舎には雑行雑修あるを、かたく申しつくべし」と、仰せられ候いし」と云々
258一 同じく夢に云わく、大永六、正月五日、夜、夢に、「前々住上人、仰せられ候う。「一大事にて候う。今の時分が、よき時にて候う。ここをとりはずしては、一大事」と、仰せられ候う。「畏まりたり」と、御うけ御申し候えば、「ただ、その、畏まりたりと云うにては、なり候うまじく候う。ただ、一大事にて候う」由、仰せられ候いし」と云々 次夜、夢に云わく、「蓮誓、仰せ候う。「吉崎前々住上人に、当流の肝要のことを、習い申し候う。一流の依用なき聖教やなんどを広くみて、御流をひがざまにとりなし候うこと候う。幸いに、肝要を抜き候う聖教候う。是が、一流の秘極なりと、吉崎にて、前々住上人に習い申し候う」と、蓮誓、仰