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られ候うよう、「いたずらにある事、あさましく思し召し候えば、稽古かたがた、せめて一巻の経をも、日に一度、皆々寄り合いて、よみ申せ」と仰せられけり」と云々 余りに、人の、むなしく月日を送り候うことを、悲しく思し召し候う故の義に候う。
(255)一 同じく夢に云わく、「同じき年の極月二十八日の夜、前々住上人(蓮如)、御袈裟・衣にて、襖障子をあけられ、御出で候う間、御法談聴聞申すべき心にて候う処に、ついたち障子のようなる物に、『御文』の御詞、御入れ候うをよみ申すを御覧じて、「それは何ぞ」と御尋ね候う間、「『御文』にて候う」由、申し上げ候えば、「それこそ肝要。信仰してきけ」と仰せられけり」と云々
(256)一 同じく夢に云わく、「翌年極月二十九日、夜、前々住上人、仰せられ候うようは、「家をば、能く作られて、おかしくとも、信心をよくとり念仏申すべき」由、かたく仰せられ候いけり」と云々
(257)一 同じく夢に云わく、近年、大永三、正月一日の夜の夢に云わく、「野村殿南殿にて、前々住上人、仰せに云わく、仏法のこと、色々仰せられ候いて後、「田舎には雑行雑修あるを、かたく申しつくべし」と仰せられ候いし」と云々
(258)一 同じく夢に云わく、大永六、正月五日、夜、夢に、「前々住上人、仰せられ候う。「一大事にて候う。今の時分が、よき時にて候う。ここをとりはずしては、一大事」と仰せられ候う。