巻次
-
1077頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

恩を一同にうれば、信心一致のうえは、四海みな兄弟」といえり。
(249)一 南殿、山水の御縁の床の上にて、蓮如上人、仰せられ候う。「物の、思いたるより大きにちがうと云うは、極楽へまいりてのことなるべし。ここにて、ありがたや、とうとやと思うは、物の数にてもなきなり。かの土へ生まれての歓喜は、ことのはも有るべからず」と仰せられしと。
(250)一 人は、そらごと申さじと嗜むを、随分とこそ思え、心に偽りあらじと嗜む人は、さのみ多くはなき者なり。又、よき事はならぬまでも、世間・仏法、ともに心にかけ嗜みたき事なりと云々
(251)一 前々住上人、仰せられ候う。「『安心決定鈔』のこと、四十余年が間、御覧候えども、御覧じあかぬ」と仰せられ候う。又、「金をほり出だすようなる聖教なり」と仰せられ候う。
(252)一 大坂殿にて、各おのへ対せられ、仰せられ候う。「此の間申ししことは、『安心決定鈔』のかたはしを仰せられ候う」由に候う。「然れば、当流の義は、『安心決定鈔』の儀、くれぐれ肝要」と仰せられ候うと云々
(253)一 法敬、申され候う、「とうとむ人より、とうとがる人ぞとうとかりける」と。前々住上人、仰せられ候う、「面白きことをいうよ。とうとむ体、殊勝ぶりする人は、とうとくもなし。ただ有り難やと、とうとがる人こそ、とうとけれ。面白きことを云うよ。もっとものことを申され候う」との仰せ事に候うと云々
(254)一 文亀三、正月十五日の夜、兼縁、夢に云わく、「前々住上人、兼縁へ御問いありて、仰せ