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浄祐を御覧候いて、以てのほか御腹立候いて、「さてさて、開山聖人の御流を申しみだすことの、あさましさよ、にくさよ」と仰せられ候いて、御歯をくいしめられて、「さて、切りきざみても、あくかよ、あくかよ」と仰せられ候うと云々 仏法を申しみだす者をば、「一段あさましきぞ」と仰せられ候うと云々
(244)一 思案の頂上と申すべきは、弥陀如来の五劫思惟の本願にすぎたることはなし。此の御思案の道理に同心せば、仏になるべし。同心申すとて、別になし。機法一体の道理なりと云々
(245)一 蓮如上人、仰せられ候う。「御身、一生涯、御沙汰候う事、みな仏法にて、御方便・御調法候いて、人に信を御とらせあるべき御ことわりにて候う」由、仰せられ候う云々
(246)一 同じく御病中に仰せられ候う。「今、わが云うことは金言なり。かまえてかまえて、よく意得よ」と仰せられ候う。又、御詠歌の事、「三十一字につづくることにてこそあれ、是れは法門にてあるぞ」と仰せられ候うと云々
(247)一 「「愚者三人に智者一人」とて、何事も談合すれば、面白きことあるぞ」と、前々住上人(蓮如)、前住上人(実如)へ御申し候う。是れ又、仏法の方には、いよいよ肝要の御金言なりと云々
(248)一 蓮如上人、順誓に対し仰せられ候う。「法敬と我とは兄弟よ」と仰せられ候う。法敬、申され候う。「是れは、冥加もなき御事」と申され候う。蓮如上人、仰せられ候う。「信をえつれば、さきに生まるる者は兄、後に生まるる者は弟よ。法敬とは兄弟よ」と仰せられ候う。「仏