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念を一処に繫けて、西方を想うべし。いかんが想を作す。おおよそ想を作すというは、一切衆生、生盲にあらずよりは、有目の徒、みな日没を見よ。当に想念を起こして、正坐西向して、あきらかに日を観じて、心をして堅住ならしめて、専想して移らざれ。日の没らんと欲て、状、鼓を懸けたるがごとくなるを見るべし。すでに日を見ること已りて、目を閉じ目を開くに、みな明了ならしめよ。これを「日想」とす、名づけて「初めの観」と曰う。
 次に水想を作せ。水の澄清なるを見て、また明了ならしめて、分散の意なかれ。すでに水を見已りなば、当に氷想を起こすべし。氷の映徹せるを見て、瑠璃の想を作せ。この想成じ已りて、瑠璃地の内外映徹せるを見ん。下に金剛七宝の金幢ありて、瑠璃地を擎げたり。その幢、八方にして八楞具足せり。一一の方面は百宝の所成なり。一一の宝珠に千の光明あり。一一の光明、八万四千色なり。瑠璃地に映ずること億千の日のごとし。具に見るべからず。瑠璃地の上に、黄金の縄をもって雑廁間錯し、七宝をもって界いて、分斉分明なり。一一の宝の中に五百色の光あり。その

漢文

繫念一処、想於西方。云何作想。凡作想者、一切衆生、自非生盲、有目之徒、皆見日没。当起想念、正坐西向、諦観於日、令心堅住、専想不移。見日欲没 状如懸鼓。既見日已、閉目開目、皆令明了。是為日想、名曰初観。
次作水想。見水澄清、亦令明了、無分散意。既見水已、当起氷想。見氷映徹、作瑠璃想。此想成已、見瑠璃地 内外映徹。下有金剛 七宝金幢、擎瑠璃地。其幢八方、八楞具足。一一方面、百宝所成。一一宝珠、有千光明。一一光明、八万四千色。映瑠璃地、如億千日。不可具見。瑠璃地上、以黄金縄、雑廁間錯、以七宝界、分斉分明。一一