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えんを、往生極楽の別因とせんと、五劫のあいだ、ふかくこのことを思惟しおわりて、まず第十七に諸仏にわが名字を称揚せられんという願をおこしたまえり。この願、ふかくこれをこころうべし。名号をもって、あまねく衆生をみちびかんとおぼしめすゆえに、かつがつ名号をほめられんとちかいたまえるなり。しからずは、仏の御こころに名誉をねがうべからず。諸仏にほめられて、なにの要かあらん。
 「如来尊号甚分明 十方世界普流行 但有称名皆得往 観音勢至自来迎」(五会法事讃)
といえる、このこころか。
 さて、つぎに第十八に念仏往生の願をおこして、十念のものをもみちびかんとのたまえり。まことにつらつらこれをおもうに、この願、はなはだ弘深なり。名号は、わずかに三字なれば、盤