巻次 - 1127頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 まにして、三悪道にこそは、おちいらんずるものにてあれども、ひとすじに阿弥陀仏のちかいをあおぎて、念仏してうたがうこころだにもなければ、かならずかならず、ただいまひきいらんずる時、阿弥陀仏目の前にあらわれて、つみというつみをば、すこしものこる事なく功徳と転じかえなして、無漏無生の報仏報土へいてかえらせおわしますということを、釈迦如来、ねんごろにすすめおわしましたる事をふかくたのみて、二心なく念仏するをば、他力の行者ともうすなり。かかるひとは、十人は十人ながら、百人は百人ながら、往生することにてそうろうなり。かかる人を、やがて一向専修の念仏者とはもうすなり。 おなじく念仏をしながら、ひとえに自力をたのみたるは、ゆゆしきひがごとにてそうろうなり。あなかしこ、あなかしこ。寛元四歳 丙午 三月十五日書之 愚禿釈親鸞 七十四歳本云文保二歳 戊午 十一月二十六日奉書写之本者御自筆也 宗昭 四十九歳貞享四年 丁卯 五月三日以河州古橋願得寺之本書写之 西福寺恵空 紙面画像を印刷 前のページ p1127 次のページ 初版p941・942へ このページの先頭に戻る