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まにして、三悪道にこそは、おちいらんずるものにてあれども、ひとすじに阿弥陀仏のちかいをあおぎて、念仏してうたがうこころだにもなければ、かならずかならず、ただいまひきいらんずる時、阿弥陀仏目の前にあらわれて、つみというつみをば、すこしものこる事なく功徳と転じかえなして、無漏無生の報仏報土へいてかえらせおわしますということを、釈迦如来、ねんごろにすすめおわしましたる事をふかくたのみて、二心なく念仏するをば、他力の行者ともうすなり。かかるひとは、十人は十人ながら、百人は百人ながら、往生することにてそうろうなり。かかる人を、やがて一向専修の念仏者とはもうすなり。
 おなじく念仏をしながら、ひとえに自力をたのみたるは、ゆゆしきひがごとにてそうろうなり。あなかしこ、あなかしこ。

寛元四歳 丙午 三月十五日書之  愚禿釈親鸞 七十四歳

本云
文保二歳 戊午 十一月二十六日奉書写之本者御自筆也  宗昭 四十九歳

貞享四年 丁卯 五月三日以河州古橋願得寺之本書写之  西福寺恵空