巻次
194頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
漢文
画像情報
画像情報
本文

証生増上縁なり」と。已上
 又云わく(般舟讃)、「門門不同にして八万四なり。無明と果と業因とを滅せん為の利剣は、即ち是れ弥陀の号なり。一声称念するに、罪皆除こると。微塵の故業と随智と滅す。覚えざるに〔「覚」の字 教の音。〕真如の門に転入す。娑婆長劫の難を免るることを得ることは、特に知識釈迦の恩を蒙れり。種種の思量巧方便をもって、選びて弥陀弘誓の門を得しめたまえり。」已上抄要

 爾れば、「南無」の言は帰命なり。「帰」の言は 至なり、又帰説なり。「説」の字 悦の音、又帰説なり。「説」の字 税の音。悦・税、二の音。告なり。述なり。人の意を宣述するなり。「命」の言は 業なり。招き引くなり。使なり。教なり。道なり。信なり。計なり。召なり。是を以て「帰命」は本願招喚の勅命なり。
 「発願回向」と言うは、如来、已に発願して衆生の行を回施したまうの心なり。
 「即是其行」と言うは、即ち選択本願、是れなり。
 「必得往生」と言うは、不退の位に至ることを獲ることを彰すなり。『経』(大経)には「即得」と言えり。

漢文

爾者南無之言帰命。帰言 至也、又帰説也。説字 悦音 又帰説也。説字 税音。悦税二音。告也。述也。宣述人意也。命言 業也。招引也。使也。教也。道也。信也。計也。召也。是以帰命者本願招喚之勅命也。
言発願回向者、如来已発願回施衆生行之心也。
言即是其行者、即選択本願是也。
言必得往生者、彰獲至不退位也。『経』言「即得。」『釈』云「必定。」即言