巻次 行 215頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 「道」は無碍道なり。 『経』(晋訳華厳経)に言わく、「十方無碍人、一道より生死を出でたまえり。」「一道」は一無碍道なり。「無碍」は、謂わく、生死即ち是れ涅槃なりと知るなり。是くの如き等の入不二の法門は無碍の相なり。 問うて曰わく、何の因縁有りてか、「速得成就阿耨多羅三藐三菩提」と言えるや。 答えて曰わく、『論』に「五門の行を修して、以て自利利他成就したまえるが故に」と言えり。然るに覈に其の本を求むれば、阿弥陀如来を増上縁とするなり。他利と之を利他と談ずるに左右有り。若し自ずから仏をして言わば、宜しく「利他」と言うべし。自ずから衆生をして言わば、宜しく「他利」と言うべし。今将に仏力を談ぜんとす。是の故に「利他」を以て之を言う。当に知るべし。此の意なり。 凡そ是れ、彼の浄土に生まるると、及び彼の菩薩・人天の起こす所の諸行は、皆、阿弥陀如来の本願力に縁るが故に。何を以て之を言わば、若し仏力に非ずは、四十八願、便ち是れ徒に設けたまえらん。今的しく三願を取りて、用て義の意を証せん。 願に言わく(第十八願)、「設い我、仏を得たらんに、十方の衆生、心を至し信楽して我が国に生 紙面画像を印刷 前のページ p215 次のページ 初版p194・195へ このページの先頭に戻る