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の行信なり。其の機は則ち一切善悪大小凡愚なり。往生は則ち難思議往生なり。仏土は則ち報仏報土なり。斯れ乃ち誓願不可思議・一実真如海なり。『大無量寿経』の宗致、他力真宗の正意なり。
 是を以て知恩報徳の為に宗師(曇鸞)の『釈』(論註)

を披きたるに言わく、「夫れ菩薩は仏に帰す。孝子の父母に帰し、忠臣の君后に帰して、動静、己に非ず、出没、必ず由あるが如し。恩を知りて徳を報ず、理、宜しく先ず啓すべし。又、所願、軽からず。若し如来、威神を加したまわずは、将に何を以てか達せんとする。神力を乞加す。所以に仰いで告ぐ」と。已上

 爾れば、大聖の真言に帰し、大祖の解釈に閲して、仏恩の深遠なるを信知して、「正信念仏偈」を作りて曰わく、
無量寿如来に帰命し、不可思議光に南無したてまつる。
法蔵菩薩の因位の時、世自在王仏の所に在して、
諸仏の浄土の因、国土・人天の善悪を覩見して、
無上殊勝の願を建立し、希有の大弘誓を超発せり。

漢文

則一切善悪大小凡愚也。往生者則難思議往生也。仏土者則報仏報土也。斯乃誓願不可思議・一実真如海。『大無量寿経』之宗致、他力真宗之正意也。
是以為知恩報徳披宗師『釈』言、


爾者帰大聖真言、閲大祖解釈、信知仏恩深遠、作正信念仏偈曰、
帰命無量寿如来 南無不可思議光
法蔵菩薩因位時 在世自在王仏所
覩見諸仏浄土因 国土人天之善悪
建立無上殊勝願 超発希有大弘誓