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能く一念喜愛の心を発すれば、煩悩を断ぜずして涅槃を得るなり。
凡聖・逆謗、斉しく回入すれば、衆水、海に入りて一味なるが如し。
摂取の心光、常に照護したまう。已に能く無明の闇を破すと雖も、
貪愛・瞋憎の雲霧、常に真実信心の天に覆えり。
譬えば、日光の、雲霧に覆わるれども、雲霧の下、明らかにして闇無きが如し。
信を獲て見て敬い大きに慶ぶ人、即ち横に五悪の趣を超截す。
一切善悪の凡夫人、如来の弘誓願を聞信すれば、
仏、広大勝解の者と言えり。是の人を分陀利華と名づく。
弥陀仏の本願念仏は、邪見・憍慢悪衆生、
信楽受持すること甚だ以て難し。難の中の難、斯れに過ぎたるは無し。

漢文

能発一念喜愛心 不断煩悩得涅槃
凡聖逆謗斉回入 如衆水入海一味
摂取心光常照護 已能雖破無明闇
貪愛瞋憎之雲霧 常覆真実信心天
譬如日光覆雲霧 雲霧之下明無闇
獲信見敬大慶人 即横超截五悪趣
一切善悪凡夫人 聞信如来弘誓願
仏言広大勝解者 是人名分陀利華
弥陀仏本願念仏 邪見憍慢悪衆生
信楽受持甚以難 難中之難無過斯